鉄鋼材料学 改訂版


 鉄鋼材料学 改訂版
門間改三
定価 4,290円(本体:3,900円)
仕様 A5判 554頁
ISBN 978-4-407-02215-5
発行日 1981年05月10日発行

鉄鋼材料の金属組織学的基礎理論と工学的諸特性との関連、およびその加工法・処理法への展開を体系的に解説し、工学的立場に立って鉄鋼材料の基本的理解が得られる画期的労作。

●目次●合金とその平衡状態図/鉄と鋼/炭素鋼の熱処理/合金鋼/工具鋼とその類似材料/表面硬化用鋼材/ステンレス鋼および耐熱鋼/鋳鉄ほか

1. 金属総論

 1-1 金属の結晶構造
  1-1-1 結晶格子
  1-1-2 単位胞中に含まれる原子数
  1-1-3 結晶の面と方向の表わし方
 1-2 金属の塑性変形
  1-2-1 結晶のすべりによる変形
  1-2-2 繊維組織と加工集合組織
  1-2-3 双晶による変形
 1-3 加工硬化と再結晶
  1-3-1 引張試験による加工硬化の説明
  1-3-2 常温加工を受けた鉄鋼の引張性質
  1-3-3 加工を受けた鉄鋼の焼なまし

 

2. 合金とその平衡状態図
 2-1 準金属および合金の相とその通性
  2-1-1 固溶体
  2-1-2 中間相および金属間化合物
 2-2 純金属および合金も凝固と融解
  2-2-1 純金属の凝固
  2-2-2 合金の凝固とその表わし方
 2-3 状態図とその見方
  2-3-1 全率固溶体型状態図
  2-3-2 偏析および樹枝状組織
  2-3-3 共晶型状態図
  2-3-4 状態図と合金の性質の関係
3. 鉄と鋼
 3-1 製鉄法と製鋼法
  3-1-1 製鉄法
  3-1-2 製鋼法
  3-1-3 鋼塊
  3-1-4 鋼塊の加工による材質変化
 3-2 純鉄の組織と変態
  3-2-1 純鉄
  3-2-2 純鉄の機械的性質
 3-3 炭素鋼の状態図と組織および性質
  3-3-1 炭素鋼の組織
  3-3-2 Fe-C系平衡状態図
  3-3-3 状態図による組織変化の説明
  3-3-4 鋼の性質に及ぼす不純物の影響
 3-4 炭素鋼の降伏点現象とこれに関連する事項
  3-4-1 炭素鋼の降伏点現象
  3-4-2 あらかじめ加工を受けた軟鋼の降伏点現象
  3-4-3 青熱ぜい性
  3-4-4 常温加工による性質変化
  3-4-5 常温加工材のひずみ時効による改善
4. 炭素鋼の熱処理

 4-1 炭素鋼の焼なまし
  4-1-1 ひずみとり焼なまし
  4-1-2 中間焼なまし
  4-1-3 完全焼なまし
 4-2 冷却速度と変態温度との関係
  4-2-1 ソルバイト組織
  4-2-2 トルースタイト組織
 4-3 炭素鋼の連続変態曲線
 4-4 オーステナイト結晶粒
  4-4-1 オーステナイト粒の識別
  4-4-2 オーステナイト粒の大きさの表示法
  4-4-3 オーステナイト粒の成長と粗粒鋼・細粒鋼
 4-5 炭素鋼の焼ならし
  4-5-1 加熱による性質改善
  4-5-2 空冷による性質改善
 4-6 炭素鋼の恒温変態
  4-6-1 パテンティング
  4-6-2 恒温変態図とベイナイト組織
  4-6-3 恒温変態組織の機械的性質
  4-6-4 亜共析および過共析炭素鋼のT.T.T.図
 4-7 炭素鋼の焼入れ
  4-7-1 焼入れた鋼のかたさ
  4-7-2 マルテンサイト
  4-7-3 焼入温度
  4-7-4 焼入れの硬化深さ
 4-8 焼入れた炭素鋼の焼もどし
  4-8-1 低温焼きもどし
  4-8-2 高温焼きもどし
 4-9 炭素鋼の組成と用途
  4-9-1 一般構造用圧延鋼材
  4-9-2 機械構造用炭素鋼
  4-9-3 快削鋼
  4-9-4 鋳鋼
  4-9-5 鉄の粉末冶金とその製品

 

5. 合金鋼

 5-1 合金鋼の状態図と炭化物
  5-1-1 鉄と他元素との状態図
  5-1-2 切断状態図
  5-1-3 合金鋼中の炭化物
 5-2 合金鋼pT.T.T.図およびC.C.T.図
  5-2-1 T.T.T.図
  5-2-2 C.C.T.曲線
 5-3 溶接用鋼材
  5-3-1 溶接熱影響について
  5-3-2 溶接構造圧延鋼材
 5-4 鋼の焼入性
  5-4-1 焼入性とその意義
  5-4-2 焼入性の表示法および試験法
 5-5 低温焼もどしで使う合金鋼
  5-5-1 マルテンサイト鋼
  5-5-2 超高張力鋼
  5-5-3 鋼の引張強さと疲れ限度の関係
  5-5-4 合金鋼のオーステンバー
  5-5-5 鋼のオースホーミング
  5-5-6 鋼の制御圧延
  5-5-7 常温加工によるマルテンサイトの強化
  5-5-8 遅れ破壊
 5-6 合金鋼の高温焼もどし
  5-6-1 合金鋼の焼もどし抵抗と炭化物反応
  5-6-2 合金元素の焼もどしに対する抵抗性の比較
 5-7 高温焼もどしぜい性
  5-7-1 焼もどし温度とぜい性の関係
  5-7-2 焼もどし後の冷却速度の影響
  5-7-3 焼もどしぜい性の二つの型
  5-7-4 ぜい化材の破面
  5-7-5 焼もどしぜい性の表示法
  5-7-6 焼もどしぜい性の原因について
  5-7-7 焼もどしぜい性に影響を及ぼすその他の要素
 5-8 構造用合金鋼の規格と用途
  5-8-1 Cr鋼
  5-8-2 Cr-Mo鋼
  5-8-3 Ni-Cr鋼
  5-8-4 Ni-Cr-Mo鋼
  5-8-5 構造用合金鋼鋳鋼
  5-8-6 高マンガンオーステナイト鋼

 

6. 工具鋼とその類似材料
 6-1 炭素工具鋼
  6-1-1 炭化物の球状化熱処理
  6-1-2 焼入れ焼もどし
 6-2 合金工具鋼
  6-2-1 切削用工具鋼
  6-2-2 耐衝撃用工具鋼
  6-2-3 耐摩不変形鋼
  6-2-4 ゲージ用鋼
  6-2-5 高温度で使用する工具用鋼
  6-2-6 使用上の立場からみた工具鋼の分類
 6-3 高速度鋼
  6-3-1 W系高速度鋼
  6-3-2 高速度鋼の焼入れと焼もどし
  6-3-3 高速度鋼の種類とその規格
 6-4 焼結工具材料
  6-4-1 WCを主成分とする超硬合金
  6-4-2 WC-TiC-Co系合金、WC-TiC-Ta(Nb)C-Co系合金
  6-4-3 焼結高速度鋼
 6-5 工具鋼に類似した鋼
  6-5-1 軸受鋼
  6-5-2 ばね鋼
7. 表面硬化用鋼材

 7-1 高周波焼入れを行なった鋼材
 7-2 浸炭鋼とその熱処理
  7-2-2 浸炭した鋼の熱処理
  7-2-3 浸炭硬化した鋼の機械的性質
 7-3 窒化鋼と窒化層
  7-3-1 窒化用鋼
  7-3-2 窒化層の性質

8. ステンレス鋼および耐熱鋼

 8-1 腐食の概念
  8-1-1 腐食の電気化学的考え方
  8-1-2 金属の腐食の場合の電池作用
 8-2 クロム系ステンレス鋼
  8-2-1 クロム含有鋼の耐食性・耐酸性
  8-2-2 Fe-Cr系の状態図
  8-2-3 13%Cr系ステンレス鋼の発展とその種類
  8-2-4 クロム系ステンレス鋼の機械的性質
 8-3 クロム--ニッケル系ステンレス鋼
  8-3-1 非酸化性の酸に対する鉄の耐酸性に及ぼす合金元素の影響
  8-3-2 オーステナイト系ステンレス鋼
  8-3-3 環境によるステンレス鋼の性質の劣化
  8-3-4 オーステナイト系ステンレス鋼の改良
 8-4 折出硬化型ステンレス鋼
  8-4-1 17-4PHステンレス鋼
  8-4-2 17-7PHステンレス鋼
 8-5 マルエージング鋼
 8-6 耐熱鋼
  8-6-1 耐熱材料としての必要条件
  8-6-2 鉄鋼の高温下における各種性質
  8-6-4 高合金耐熱鋼
  8-6-5 鋳造耐熱鋼
  8-6-6 超耐熱合金

 

9. 鋳鉄
 9-1 鋳鉄の組織と状態図
  9-1-1 鋳鉄の顕微鏡組織
  9-1-2 Fe-C系状態図
  9-1-3 鋳鉄の組織を変える諸要因
  9-1-4 黒鉛の形と分布
 9-2 鋳鉄の性質
  9-2-1 鋳鉄の機械的性質
  9-2-2 鋳鉄の減衰性
  9-2-3 鋳鉄の被削性
 9-3 各種の鋳鉄
  9-3-1 鋳鉄品の規格
  9-3-2 合金鋳鉄
  9-3-3 可鍛鋳鉄
  9-3-4 球状黒鉛鋳鉄
  9-3-5 鋳鉄の熱処理
付録
 索引